お墓は家族の伝統を重ねていく「終の棲家(ついのすみか)」であり、私たちに命を授けてくださったご先祖様を供養し、現在に感謝し、未来に向かって家族の絆を深めるためのシンボルです。
暮らしの形態が多種多様になっている現代においては、お墓が必ず必要なものとは限りません。しかし、お墓にはご先祖様と対話できる大切な場所であり、脈々と続く家族の絆を確認しあうシンボルとして、そういう時代だからこそ、必要なのかもしれません。
最近では散骨や樹木葬など様々の供養の仕方があるように、お墓の形には必ず守らないといけないという決まりはありません。もちろん墓地埋葬等に関する法律はございますし墓地や霊園によっては寸法などに規制が設けられていることもありますが、それを順守していればお好みに合わせて自由に建てることができます。
また当社では、モデルとなる形はございますが、規格品のような決まった形はございません。お客様のお好みやご予算に合わせて自由に設計できます。何でもお気軽にお問合せ、ご要望ください。
お墓の形の種類においては、大きく分けて4種類ございます。日本で古くから建てられている伝統的な角柱型の仏石が立つ【和型】、平成中期くらいから増えており、特に熊本地震以降はご要望される方が増加している規格的低めの設計で横長型の仏石が立つ【洋型】、その和型と洋型の中間で横幅も高さもある【和洋型】、最近はお墓に対するイメージも変化しており、自由な発想で個性を出した【デザイン墓】。これら4つのタイプがございます。周りのお墓の環境や使いやすさ等を考慮してお客様のお好みのタイプを選んでいただければと思います。
石の種類に関しましては、主に色と産地に分類されます。色は白御影石・グレー御影石・黒御影石・赤やピンクなどの様々な色の御影石などです。どの色が良いだとか悪いはございませんので、ご家族などで相談してお好みで選ばれると良いと思います。産地は、徳山石や庵治石など国産の石もございます。国産の石は採れる量が少なく比較的高価な石が多いこともあり、最近では外国で採れる石を使用することが多くなっています。外国の主な産地としては、インドや中国、アフリカやヨーロッパなど世界中で石が採取されます。石の産地は参考として一定の基準にはなりますが、石は天然の物であり、性質や硬度などは産地でその石の良し悪しが決まるわけではございません。同じ国で採れる石でも、その性質はそれぞれの石種によって異なります。
当社展示場には常時20種類ほどの石種が展示してありますので、実物を見て確かめて、気になる石がございましたら何でもお問い合わせください。
墓地や霊園は、経営主体や管理者、形態などによって、大きく分けて4つの種類がございます。
転居などでお墓が遠くなったり、故郷にあるお墓を守る人がいなくなった場合は、そのお墓の移設や墓じまいをすることができます。自治体や受け入れ先の墓地や霊園により、必要な手続きが異なることがありますが、ここでは一般的な手続き方法をご紹介します。
まず、移設する場合は、新しい墓地を確保して、その墓地の管理者から「受入れ証明書」を発行してもらいます。その後、現在の墓地の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらい、その2つの証明書と市区町村役場にある「改葬許可申請書」に記入して一緒に提出します。これにより「改葬許可証」が発行されます。移転先の墓地の管理者に「改葬許可書」を提出すれば移設の改葬工事が行えます。
次に、ご遺骨を永代供養の納骨堂やお寺に納骨し、お墓を解体するいわゆる「墓じまい」の手順をご紹介します。
まずは、遺骨を納骨する場所を決めます。その際には、受け入れる遺骨の個数や10年ごとなど決められた期間にて更新が必要な場合や、納骨後ある程度年数経過後に骨壺から出して全ての遺骨と一緒に埋葬されるなどの決まり事がある場合がありますので、確認が必要です。納骨する場所が決まりましたら、上記の手順と同じく「受入れ証明書」・「埋葬証明書」とともに市区町村役場にて「改葬許可申請書」に記入後に提出して、「改葬許可証」を発行してもらいます。その手続きが済みましたら、お墓から遺骨を取り出し、受入れ先へ「改葬許可証」を提出して納骨します。その後にお墓の解体工事を行います。お墓の解体工事依頼は石材店であればどこでもできます。解体工事費はどこも同じくらいの金額ですが、あまりに安い業者などは解体工事で出た石を許可を受けた最終処分場で処分せずに、現地に穴を掘って埋めたり、山などに不法投棄する業者もございますのでご注意ください。